何日是歸年。

江碧鳥逾白　　　江碧にして鳥いよいよ白く
山花欲然　　　山くして花然えんと 欲す
今春看又過　　　今春みすみすまた過ぐ
何日是歸年　　　いづれの日かこれ歸年ならん

唐代の『詩聖』・杜甫の絶句でありますな。
最後の行、「何（いづれ）の日か是れ歸年ならん」と言うフレーズは「いつの日か帰る」という言葉であぁ、と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
突然この詩を思い出したのは、以下の記事を読んで何ともいえぬ気持ちになったからであります。

ソース：ニッケイ新聞(伯剌西爾)

敢えて引用をしません。
政治的思想的信条の左右その他に関係なく、かの小野田寛郎・元少尉をして何十年も遠く比律賓から恋焦がれ続けた故郷を捨て、伯剌西爾への移住に至らしめたこの日本と言う国は一体何なのか、と言う事に想いを巡らせて欲しいのです。
これ以上多くは申しません。
とにかく、彼から吐き出された言葉が重過ぎるのです。